思い起こすは、あのひと皿

日々の美味しかったものについて語る。

シードケーキ

アガサクリスティのミスマープルの作中には

何気ないお茶の時間の中で、
美味しそうにケーキを頬張る描写がたくさんある。
 
現代のように、果物やクリームでデコレーションされていない、素朴なケーキ。
 
伝統あるホテルを舞台にした、バートラムホテル。
その中でミスマープルが心動かしたケーキが、
シードケーキ。
それも本物のシードケーキ。
 
作中で「本物のシードケーキなの?」
とホテルのウェイターに尋ねる。
 
 
 
はて、本物のシードケーキとは?
芥子粒のポピーシードのパウンドケーキか?
でも本物を強調するとすれば、ありふれたポピーシードケーキではないかもしれない。
 
検索してみると、
やはりポピーシードではなかった。
 
イギリスの昔ながらの素朴なケーキは、
キャラウェイというスパイスで作られるとのこと。
 
食材豊かな時代になって、
お目にかからなくなって久しいらしい。
 
いにしえの乙女のミスマープルにとっては、
少女時代の思い出の味なのかもしれない。
 
 
キャラウェイってどんなスパイスだろう?
調べると割と清涼感があるものらしい。
 
 
で、作ってみた。
 
しっかりとした生地、
キャラウェイシードがプチプチと砕けて、
爽やかな風味が甘めなしっかりしたケーキと合わさり、楽しい食感と風味。
 
熱くて濃い紅茶にたっぷりのミルクを注いだミルクティーがとても良く合う。
 
 
これはひと切れで紅茶が進む。
まさにアフタヌーンティーのおしゃべりに相応しいおやつ。
 
 
食べきれない分は一人分毎にカットし、冷凍庫へ保存。
 
今度の近所のピクニックへ、おやつとして持っていく予定。
もちろん熱々のミルクティーも水筒に入れて。